原油価格と株価の関係性は?代表的なWTI原油先物指数、影響を受ける業界について説明

投資

投資関連の情報を日々収集していると、
原油価格の変動がニュースとして取り上げられていますよね。

庶民感覚で原油価格の変動を感じるのは、
ガソリン代が高くなったり安くなったりする時くらいですが、企業にとっては為替同様重要な指標となっています。

この記事では、そもそも市場で言われる「原油価格」とは何か、原油価格変動による株価への影響、について纏めていきます。

原油価格の代表的な指標と言われるものは?

世界には異なる質と特徴を持った原油がたくさんあり、その種類は様々です。
そのうち、原油ベンチマークの代表的なものは以下の3つです。

・WTI
・ブレント
・ドバイ・オマーン

なかでも、原油価格の国際的な指標となっているWTIにつき詳しく紹介します。

WTI原油先物指数とは?

WTI原油先物は、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されている、
WTI(West Texas Intermediate)という米国の代表的な原油の先物商品のことです。

WTIとは西テキサス地方の中質原油という意味。この地方の原油は含有硫黄分が少なく軽質で、
ガソリンや軽油が多く採れるといった特徴があります。

WTIの一日の生産量は数十万バレルですが、
WTI先物の一日の取引量はその千倍以上にもなります。
また、取引にはも石油会社や貿易会社などの石油業界関係者以外に、投資ファンドなどたくさんの人が参加しています。

取引量と市場参加者が多いことから、原油価格の代表的な指標のひとつに数えられています。

原油価格はなぜ変動する?

景気との相関性(需要面):
原油価格は一般的に経済活動が活発な時に上昇、停滞する時に下落する傾向があります。
ただし、原油価格が上昇しすぎると、そのことが景気にブレーキをかける要因にもなり得ます。

石油輸出国の産油量調整(供給面):
産油国のさじ加減で価格が大きく動くことがあります。産油国がそれぞれの利益を守ることを目的とした組織として、
石油輸出国機構(OPEC:Organization of the Petroleum Exporting Countries)があります。これにロシアなど非加盟国を加えた「OPECプラス」が、それぞれ協調して原油価格の安定に努めています。
需要が強い時には増産して市場に出回る量を増やす一方、需要が弱い時には減産を行います。

原油価格と株価の関係

原油価格の変動により、
影響を受ける業界は様々です。

【原油価格の下落で恩恵を受ける業界】

・石油を利用して製品を製造する化学、タイヤ、製紙
・燃料として利用する空運、陸運、海運
・発電用重油として利用する電力

上記業界のコストダウンにつながり各社の業績にプラスに働きます。

【原油価格の上昇で恩恵を受ける業界】

・資源開発、石油精製、商社

販売価格が上昇するため資源開発が活発になり、
プラントといった業界にメリットがあります。

「オイルマネー」が及ぼす株価への影響

また、原油価格が変動した場合に注意しなければならないのは、
「オイルマネー」と呼ばれる、中東を中心とする原油産油国の資本の動きです。

中東産油国は原油で稼いだ余剰資金の一部を、
ソブリン・ウェルス・ファンドを通じて世界のリスク資産に投資している国が多いです。

原油高の場合、原油産出国の資本は拡大。
その結果、他国の株式等に多量の投資資金が流入するため、株価は上昇します。

しかし、原油が下落した場合には、投資に使われてきた資金は回収が図られ、株価は下落します。

結論・まとめ

原油はガソリン、灯油、プラスチック製品など私たちの生活のあらゆる部分に関わっており、
企業活動や株価にも大きな影響を与えます。

原油の増産・減産などの供給面に関するニュースがあった場合には、
どの業種への影響が考えられるか、株価はどうなるかなどを連想して考えると良いと思います。

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