【個別株】Fisker – テスラの躍進に続くか?新興EVメーカーの特徴3つ、激しい市場競争を勝ち抜くと思われる理由とは?

【個別株】Fisker - テスラの躍進に続くか?新興EVメーカーの特徴3つ、激しい市場競争を勝ち抜くと思われる理由とは?個別株

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Fisker社は、南カリフォルニアに本社を置くEVスタートアップです。


アストンマーティンのデザイナーだったヘンリック・フィスカーが立ち上げたブランドで、
2013年に1度は倒産したものの、2016年に復活した、稀有な経歴を有する企業です。

EV市場でのフロントランナーであるTesla に次ぐ成功企業を巡って、Lucid、RivianなどのEVスタートアップが争う中、それぞれ量産体制の構築やサプライチェーンなどの課題を抱え、十分な生産ができていません。

そんな中、Fisker社が販売を予定している Fisker Oceanは、既に65,000台分の予約が入っており、注目度が高まっています。

調べていくうちに、
Fisker社が有する強みや、懸念点も明らかになったので、今回の記事で触れていきます。

まずは強みからご紹介します。

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特徴1:デザイン性に優れたEVの販売

CEOであるフィスカー氏がデザイナーであったこともあり、デザイン性の拘りはもちろんのこと、性能面でも他車に劣りません。

以下、Fisker Oceanの特徴をご紹介します。

  • 最上級モデルの航続距離は627km、
    通常モデルでは400km程度
    • 最上級モデルは、テスラ社のModel 3, Model Y比較で劣らない性能を持つ
  • 「カリフォルニアモード」の搭載
    • 室内のスイッチで、フロントとリアのドアウインドウ、リアクオーターガラス、リアゲートガラス、
      およびガラス製スライディングルーフを全開に出来る。
  • ダッシュボードの中央には、17.1インチの回転式ディスプレイを配置
  • サステナビリティへの取組:
    • インテリアには再生漁網、古着、古ゴムからなる「完全ヴィーガン」な素材を使用し、サステナビリティに取り組む姿勢を見せている

特徴2:自動車メーカーとしては稀有なファブレス

Fiskerは、自前の自動車製造工場を持たない、いわゆるファブレス企業です。

製造委託を行っているのは、カナダの自動車部品メーカーであるMagna International

2029年までの製造委託契約を結んだ同社は、
トヨタなどの完成車メーカーのために組み立てを請け負う、世界最大の受託製造会社です。

大手部品サプライヤーでもあり、近年はさらに電動プラットフォームや、先進運転支援システム(ADAS)の開発でも注目を浴びる会社です。

Fisker社のSUVであるOceanシリーズの生産は、
2022年11月に既に開始されています。

2023年の生産台数目標としては、
40,000台以上を掲げており、
その実現性が注目されています。

フィスカー氏が強調するファブレスのメリットとして、実績のある企業が製造を請け負うことで、車は確実に市場に出る、と投資家を納得させることが出来る点だそうです。

実際、Fiskerに関しては現時点では発売時期の遅延などは発生しておらず、Rivian や Lucidといった他社EVメーカーと差別化できています。

とはいえ、今後さらなる量産が期待される中で、

・Magna 社での生産台数増加が実現するのか
・他企業へのOEMを通して拡大していくのか

見守っていきたいところです。

特徴3:低価格帯

Fiskerの特徴の一つとして、
低価格帯が挙げられます。

こちらは、各社の主力EVの価格帯を比較したグラフなのですが、

Reuter社記事より参照

Fisker Ocean シリーズは、なんと $37,499
(およそ 510万ドル、1ドル = 135円換算)。

Tesla の Model 3, Model Y と比較しても安価、
Lucid の $87,400、Rivian の最安値 $73,000 と比較すれば凡そ半額です。

その低価格帯の最大の要因と言われているのが、Fisker の知的財産とマグナのEV技術を組み合わせた新しい「FM29」プラットフォームです。

多くは公開されていませんが、Oceanシリーズ以外のモデルにも柔軟に対応できるとのことで、発展性に期待がかかります。

懸念点1: 年間生産計画の達成可否

2023年の生産計画として、年間42,200台を掲げている Fisker社。

ところが、決算会見資料によれば、
生産ペースを「意図的に」落としているため、
会見時点では 56台しか生産できていないことが明らかになりました。

ねこA
ねこA

2月時点で56台、、?
年間4万台生産を掲げているのに大丈夫なの??

Fisker社の説明によれば、車両を販売する上での認証許可を米国、欧州で得るため、
数々の規定や走行試験をクリアする必要があり、慎重に生産を重ねているとのことです。

会見では以下のように、
十分に巻き返せる生産体制を保有している点について強調されていました。

Today, and actually even last week, and weeks before,
Magna can already make 20 cars a day on average. (中略)

when we are ramping up, specifically in Q2, we are going to have such a strong ramp that any units that may have been lost early on can easily be caught up later in the year.
And that’s why we maintain our guidance of 42,400 vehicles for the year.

Fisker 2022 4Q Earnings Report Transcript
ねこA
ねこA

自動車の認証を得るには、
数百にも及ぶ規制、
走行試験のクリアが必要と聞いているけど、本当に年内に全て満たすことができるのかしら、、?

懸念点2:サプライチェーンの構築

EV業界のトップであるテスラ社は、バッテリー用金属生産の企業買収を検討するなど、
原材料の確保のために先打ちで動いています。

FordやGMなどの大手企業がEVの生産を本格化させる中で、サプライチェーンでの不足により、
生産台数に影響が出ないようにするためです。

RivianなどのEVスタートアップが苦戦してきたのも、まさに半導体や金属といった主要部品の高騰、供給不足により、生産台数を確保できなかった点にあります。

会見でも、

・鉄・アルミニウムの価格が下落していること、
・中国の車載電池大手であるCATLをサプライヤーに選定

サプライチェーンに懸念がないことは主張されていました。

しかし、各社EVの生産台数が積み上が利、
大手自動車企業による大口注文などが入る中で、
現時点では小規模な企業である Fiskerが安定的な調達ができるのかどうか、
生産が始まってみて確認する必要があります。

Steel and aluminum are both down over 30% from 2022 highs. Battery raw material prices, such as nickel and cobalt are down meaningfully from peaks, while lithium carbonate has started to ease in recent months. And we expect prices to continue to decline throughout 2023.

I had an excellent discussion with our partner CATL in China, and they have assured us that Fisker will get the best prices as material prices come down.


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