【個別株】Ginkgo Bioworks – バイオ市場の拡大により、テンバガーを狙える銘柄

【個別株】Ginkgo Bioworks - バイオ市場の拡大により、テンバガーを狙える銘柄個別株

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近年、遺伝子合成・編集などの技術発展が目覚ましく、注目されています。

別の遺伝子を生物に組み込むことで、

・本来その生物が持ち得なかったタンパク質を作る

・新たな機能を備えた生物細胞を創出

医薬品や食品の製造に活用するケースが
増えています。

例えば、
新型コロナに対処するワクチンなども、
遺伝子合成技術を活用して開発されたものです。

ワクチンや医薬品などの医療用途だけでなく、
食品や香料、資源・環境分野においても、
バイオテクノロジーの活用は将来の産業を語る上では欠かせないものとなっています。

OECDの試算によると、2030年には、
バイオテクノロジーを活用する市場規模が、
少なく見積もっても

約200兆円(OECD加盟国の国内総生産(GDP)の2.7%)にまで拡大すると見込まれています。

そうしたバイオテクノロジー分野では、数々のスタートアップが創業しています。

国内企業の例では、遺伝子を組み替えた微生物を使いタンパク質を製造し、
繊維へと加工する技術を持つ国内ユニコーンの「スパイバー(Spiber)」がよく知られています。

本記事では、
合成生物学のパイオニアとして知られる
Ginkgo Bioworksについて取り上げ、その事業内容・財務面・将来性についてまとめていきます。

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Ginkgo Bioworksとは?

Ginkgo Bioworks は、
カリフォルニアやオーストラリア、フランス、オランダ、スウェーデンなどを研究拠点として、
世界最大規模のゲノム開発事業を展開する企業。

これまでコンピューターをプログラミングしてきたように、細胞をプログラミングすることをミッションに掲げています。

スマートセルの設計・安定生産に必要な設備やソフトウェア、
細胞管理のノウハウなどを開発プラットフォームのcell-development-kit(CDK)として
顧客に提供しています。

企業の生産性を向上するプラットフォームの提供という点では、
「Amazon AWS に近いサービス」と言われており、非常にポテンシャルは高いです。

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事業内容

現時点での事業内容は、ファウンドリ、バイオセキュリティの2つです。

ファウンドリ事業

ファウンドリ事業では、

・分析装置やその⾃動化のための
 ソフトウェア

・データ管理システムなどを備えた
 総合施設の機能

を様々な顧客に提供し、
ロイヤルティを受け取っています。

委託企業からすれば、自社の研究所を構築するのに何億、何十億と節約し、
研究開発や他事業への投資が可能となるので、メリットは大きいですね。

そして、将来的に委託企業である製薬会社等が新薬開発に成功した際は、
新規化合物を発明した対価として、マイルストーン収益を受け取ることができます。

マイルストーン収益とは、
開発の進捗段階に応じて、
医薬品開発企業側から発見・発明企業側に対して支払われ、継続的な収益の柱となることが見込まれます。

バイオセキュリティ事業

次世代DNA合成技術の開発や、独自のバイオセキュリティシステムの実装など、

幅広い取り組みを行なっています。

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財務内容

2022年、2021年通期での財務指標を比較してみました。

(百万ドル)2022年通期2021年通期
売上478314
 (ファウンドリ事業) 144 113
 (バイオセキュリティ事業) 334 201
営業費用▲ 2,686▲ 2,142
 (内、研究開発費) ▲ 314 ▲ 219
 (内、株式報酬費用) ▲ 1,941 ▲ 1,688
利益▲ 2,209▲ 1,828
Ginkgo Bioworks 決算資料より抜粋

売上は増加傾向にあるものの、
利益は昨年度比減少。

ファウンドリ事業での企業との協業数は順調に増加しており、医薬品に限らず食品・農業分野でも協業が見られます。

では、赤字の要因は何になるのでしょうか。
決算書では Stock-based compensation と記載されていた、
株式報酬費用によるマイナスが大きいです。

ある記事によれば、人件費を現金で払う代わりの報酬支払で、人件費と推測できそうです。

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懸念点

ここまではポテンシャル溢れる企業として紹介してきましたが、当然懸念すべき事項もあります。

財務面でも記載した通り、当社は上場以降収益こそ増加しているものの、
通期連続で赤字を叩き出しています

赤字の大きな要因が 株式報酬費用となっており、
現金支出費用ではないので、赤字計上による当面の事業継続は心配ないと思われますが、
資金調達が必要となった場合には、株式の希薄化による株価下落が生じそうです。

また、上場以降、「バイオ業界のAmazon」になると言われ続けてきたものの、
高い期待値とは裏腹に、株価は冴えません。

連続赤字、事業黒字化への道筋が見えないことから、株価は過去1年間で63% ほど下落しました。

他業界を見ても、業績急成長へのストーリーは出来上がっているものの、
企業体力や経営能力が揃わず、期待に応えられなかった企業は沢山あります。

高いポテンシャルだけに目が眩んで投資をしてしまうことがないように、
収益性向上には注目しておく必要があります。

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まとめ

バイオテクノロジー市場の発展性に伴い、長期的なポテンシャルに溢れた企業です。
一方で、赤字額を切り詰め、黒字化が見込めるタイミングはまだ見えていません。

株価が下落しているタイミングではありますので、様子を見ながら、
少しずつ株を調達していこうと思います。

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