資産運用というと株式投資に目が向きがちですね。
しかし、資産運用における伝統的資産としては、
株式のほかに債券があります。
債券とは、国や企業などが、投資家からお金を借りるために発行する有価証券です。
ざっくり言うと、投資家はその債券の発行体にお金を貸しているということです。
主な債券には、国債や社債があります。
債券の特徴としては、
・あらかじめお金を返す期限日が決まっています(その期限のことを満期といいます)
・満期になると、借りたお金は全額返す必要があり、元本は保証されます
・お金を借りている間、債券の持ち主は予め決められた条件で利子を受け取ることができます
(例えば、利率3%、1万円の債券を保有していれば、年間300円もらう事ができます)
なぜ株式投資にも債券が重要?
投資初心者である私は、主にチェックするのは株価がどう動いたかでした。
ダウ工業平均株価指数の動きを見て、大きく変動があった場合にどの企業が寄与したのか、
CNBCなどのニュースサイトを見て原因を探る、と言うことをしていました。
そのようにしていた理由は、
株式市場の主な値動きの要因が、業績の変動に依る部分が大きいと考えていたためです。
確かに、株価の値動きは株式の発行企業の業績にも影響されますが、
国内外の景気や経済、社会情勢の変化にも影響を受けます。
ただ、「国内外の景気」って非常に漠然とした概念ですよね。
この指標を見ればわかる、というモノはないですが、
景気を表す指標の代表例としては、「金利」があります。
金利と景気の関係性は?
金利は景気と密接に関わっており、
景況感を測るパラメーターの一つとして、金利を活用できるのです。
一般的な理論ですが、景気が良くなると個人・企業の収入が上がり、消費や投資が活発になります。
より多くのモノやサービスを売るために企業は設備投資を積極的に行い、
その結果、お金に対する需要が高まり金利は上昇していきます。
ところが、ある程度まで金利が上昇してくると、
人々は預貯金にお金を回すようになり、モノやサービスへの購買意欲が無くなり、
結果としてモノが売れにくくなります。
そうなると、企業の売上が減少し、設備投資や従業員の給料を抑えるようになります。
こうして景気が後退しはじめると、お金に対する需要が減り金利は下がっていきます。
代表的な金利指標とは?
金利が景気動向を反映する事がわかりました。
では、代表的な金利指標にはどのようなものがあるのでしょうか。
主たる例は、10年国債利回りがあげられます。
利回りとは、毎年の利息に加えて、売却価格と購入価格の差額を加えた年間あたりの運用益を、
額面金額に対する割合で表したものです。
この指標を見ることで、景気動向を把握し、株式への影響を見る事ができるのです。
では、債券の利回りと、株式の値動きでの関連性はどうなのでしょうか。
株式・債券の値動きでの関係性とは?
株式は景気上昇時に好調な資産であるのに対し、
債券は景気下落時に好調な傾向にあります。
その理由としては、リスク・リターンの関係性にあります。
ここで、リスクとは、国語辞典を引いた時に出てくる「危険度」という意味ではなく、
不確実な度合いが大きいということです。
「リスク」と聞いてイメージされるような、
値下がりするという可能性だけでなく、
値上がりする可能性も含めて、価格の値動きが大きいということを指します。
その観点で株式・債券を考えると、
株式は、企業の業績に連動して価格が変動するためリスクは大きく、
債券は、基本的には満期まで保有すれば元本が戻ってくるため、価格変動は少ないです。
景気拡大時には、業績も拡大傾向にあるため、株価の値上がりを期待して株式が好まれ、
景気縮小時には、確実にリターンが貰える債券が好まれます。
このように両者には負の相関があるため、
それぞれに投資することは長期運用における分散投資効果が高いとされています。
結論・まとめ
いかがでしたでしょうか。
株価の変動には様々なファクターがありますが、業績だけでなく景気にも影響を受けること。
そして、景気影響は金利に表れ、
・金利が下がっているということは景気拡大傾向、株価は上昇しがち
・金利が上がっているということは景気縮小傾向、株価は下落しがち
というのが一般論になります。
株式投資初心者の皆さんも、明日からは株価指標だけでなく、
金利指標を見に行くようにしましょう!