石油・天然ガスの上流開発企業であるINPEX。
世界各国の油田・ガス田で確保した権益をもとに、
安定して天然ガス・石油を開発し、
日本のエネルギー保障にも貢献する企業です。
本記事では、INPEXの事業内容、財務指標、成長性についてまとめていきたいと思います。
INPEXの事業内容
INPEXは、世界20カ国以上で石油・天然ガスプロジェクトを推進する石油・天然ガス開発企業です。
オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトや、
アブダビの油田プロジェクトなどの大型プロジェクトをはじめとした、
日本企業最大の埋蔵量、生産量規模を有しています。
主な生産地域は、アジア・オセアニアが45%、中東・アフリカが40%を占めています。

INPEXの直近決算
以下に、主要指標を抜粋しました。
2021年12月期 | 2022年12月期 | 前年比 | 増減率 | |
売上高 (億円) | 12,443 | 23,246 | 10,802 | 86.8% |
営業利益(億円) | 5,906 | 12,464 | 6,557 | 111.0% |
原油販売量(千バレル) | 120,118 | 138,116 | 17,998 | 15.0% |
天然ガス(百万cf) | 464,805 | 442,416 | ▲ 22,389 | ▲ 4.8% |
売上高が昨年度比で 1兆円程増加したのは、
昨今の原油価格の高騰による販売単価の上昇、
円安効果の牽引が大きいものの、
販売量を着実に伸ばしている点は評価できます。
(前年比内訳)
販売量の増加 : + 1,136億円
販売単価の上昇: + 6,169億円
為替による影響: + 3,473億円
株価推移
コロナ禍直後は経済混乱で原油需要が大幅に落ち込み、
株価も一時600円台に下落しました。
経済再開につれ、直近では1,400円 – 1,500円付近を推移しています。

財務指標
ここでは、株価を評価する代表的な指標として、
PER、PBR、EPSを見ていきます。
2021年12月期 | 2022年12月期 | |
PER | 6.51倍 | 4.56倍 |
PBR | 0.47倍 | 0.50倍 |
EPS | 153.87円 | 320.69円 |
PER、PBR共に非常に割安な価格で据え置かれています。
直近の相場ではPBR 1倍以下などの割安株に注目が集まり、
株価が上昇していることもあり、INPEXもさらに株価を上げていくかも知れません。
2023年度の業績予想
2023年度は、以下のような業績予想がされています。
注目すべきは、前提となる油価、為替レート。
2022年12月期 | 2023年12月期(予想) | |
売上高(億円) | 23,246 | 18,850 |
親会社株主に帰属する純利益(億円) | 4,382 | 2,700 |
前提 Brent 油価(ドル/バレル) | – | 75.0 |
前提 為替レート(円/ドル) | – | 125.0 |
油価が1ドル高い / 安い方向に進む、
または為替レートが円安 / 円高に傾くと、
以下の通り純利益が変動するそうです。
油価が1ドル上昇(下落)した場合 | 期初時点:+60億円(△60億円) 第2四半期期初時点:+40億円(△40億円) 第3四半期期初時点:+20億円(△20億円) 第4四半期期初時点:+8億円(△8億円) |
為替レートが1円 円安 / 円高になった場合 | +32億円(△32億円) |
サプライズによる株価上昇を狙うためにも、
前提条件と比較して足元の油価・為替レートがどうか、
確認することが大切でしょう。