【個別株】デジタルガレージ(4819) – 4つの事業セグメント、注目のWeb3関連事業にも取り組み

【個別株】株式会社デジタルガレージ - 4つの事業セグメント、注目のWeb3関連事業にも取り組み個別株

デジタルガレージは、電子決済や広告サービスの提供、
スタートアップ企業の投資・育成などを行うIT企業です。

近年、話題に上がっているWeb3、ブロックチェーンを活用した事業にも取り組んでおり、
同社への関心が高まりつつあると言えます。

そんなデジタルガレージの事業内容、直近決算内容を踏まえ、
投資にあたっての考え方などを共有できればと思います。

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事業内容

MT(マーケティングテクノロジー・セグメント)

様々な業界の事業者に対し、デジタルとリアルを一貫した総合的なデジタルマーケティング、
様々なデータを活用したデータマーケティングビジネス等を行っています。

FT(フィナンシャルテクノロジー・セグメント)

決済代行事業者(Payment Service Provider)として、EC事業者や対面小売店に向けて、
クレジットカード決済やコンビニ払いに加え、
QRコード決済、Suicaをはじめとする各種電子マネー等、様々な決済手段を一括提供しています。

主な例は、

・株式会社DGフィナンシャルテクノロジー:日本を代表する決済プラットフォーム事業を運営

・ナビプラス株式会社:決済事業の顧客であるEC企業に対し、レコメンドや検索エンジン等付加価値サービスをSaaSとして提供

・ANA Digital Gate株式会社:全日空商事㈱との合弁会社。空港や旅行領域を主に決済プラットフォームを提供

IT(インキュベーションテクノロジー・セグメント)

国内外のスタートアップ企業等への投資から、事業育成まで行っているセグメントです。
投資先企業のコンディションに合わせたきめ細やかなサポートを実施しています。

投資先の公正価値は、

2019年3Q時点:242億円
2022年3Q時点:722億円

と3倍近くに成長しており、米国・アジア・日本を中心としたグローバルポートフォリオの構築、
成長ステージの異なる企業への投資により、持続した成長を実現しています。

主な投資先は、

・Blockstream(米国):Bitcoinの基幹技術であるBlockchainをさまざまな
用途に利用するための技術「Sidechain」を開発

・MX Technologies(米国):米銀行等の金融機関に対し、顧客口座向けの個人資産
管理ツールを提供

・AGE technologies(日本):相続時に発生する各種手続きをインターネットで完結させる
サービス、「そうぞくドットコム」を提供

・Droom(インド):インド最大手の自動車売買オンラインマーケットプレイス「Droom」を運営

LTI(ロングタームインキュベーション・セグメント)

当社が培ってきた投資育成や事業開発のノウハウを活かし、
中長期的かつ継続的な事業利益の創出に取り組む。

具体的には当社が事業を手掛けているのではなく、
投資先企業との共同事業/合弁会社の設立など、長期的に新規事業を作っています。

サービス開発後のマーケティングや、飲食店での支払いなど、
当社のマーケティング、決済のノウハウを活用して事業を成長させています。

主な例としては、

・メディア開発・運営事業:株式会社 カカクコム(食べログや価格.comを運営する企業)
・ブロックチェーンを活用した金融サービス事業:株式会社 Crypto Garage
・ワイン関連事業:株式会社 アカデミー・ドゥ・ワイン

業績内容(2022年、2021年 4 – 12月期)

事業内容の説明が長くなりましたが、業績内容を分析していきましょう。
以下は売上高の数値を、2022年度、2021年度で比較したものです。

(億円)2022年 4-12月期2021年 4-12月期前年比
FT 事業87.780.0+7.7
MT 事業87.294.0▲6.7
IT 事業▲22.3212.3▲234.7
LTI 事業65.734.3+29.4
調整額4.9108.1▲103.2
合計528.8223.3▲305.5
決算資料より抜粋

ここでの調整額とは、セグメント間取引消去、
各報告セグメントに配分していない全社収益及び全社費用が含まれるそうです。

FT、MT事業は堅調に推移しています。

IT事業の収益が前年比大きく下落したのは、
投資先であるBlockstream の評価額が大幅に減少したことにより、
評価損を計上したためだそうです。

全体的に、MT事業、FT事業では安定的に稼ぎ、
IT、LTI事業では次世代の稼ぎ柱を育成する、というモデルになっています。

IT事業は投資先企業の業績次第で大きく利益がぶれるため、
出資先企業の成長度合が重要な収益構造となっています。

投資にあたっての注意点は?

事業内容、業績でも確認できた通り、
デジタルガレージはマーケティング・決済領域のノウハウを活かして、
スタートアップやベンチャー企業への投資、成長支援を行っています。

FT領域では継続的な成長が望める花形事業である一方、
IT・LIT領域では投資先がフィンテック・DX企業が主な対象となるため、
景気などのマクロ経済にも大きく左右され、収益リスクがあります。

ただ、IT・LIT領域への投資は、
将来的な顧客の育成や、最先端技術の取り込みなど、
FT領域と相乗効果を生むため、
長期的に見ればさらなる成長が見込まれると考えています。

デジタルガレージ社に投資を行なわれる際には、

・デジタルガレージ社の投資先企業の事業領域
・金利指標や、景気などのマクロ環境

を吟味した上で、ある程度金融緩和のステージで入るのがいいのではないかと思います。

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