2/2(木)に予定されているApple の決算につき、
エコノミストは2019年以来の減益を予想。
決算予想の詳細、減益の理由、来期以降の展望
について、以下触れていきます。
過去のAppleについての記事はこちら:
アナリストの決算予想
Refinitivにて集計されたアナリストの予想では、第4四半期の売上高は 1,212億ドルと、
昨年同時期比の 1,239億ドルから 、
30億ドル程度減益。
以下、事業ごとの売上予想は:
- 売上高: 1,212億ドル(昨年比▲30億)
- EPS: 1.94 ドル
- iPhone 売上: 683億ドル(昨年比▲33億)
- Mac 売上: 96 億ドル(昨年比▲8億)
- iPad 売上: 78億ドル(昨年比+6億)
- その他売上: 153 億ドル(昨年比▲6億)
- サービス部門売上: 207 億ドル
(昨年比+12億)
減益の理由は?
まず主要な要因の一つは、
iPhoneの主要組立工場にて数週間の生産停止
が発生したことだろう。
2022年11月、ロックダウン中の衛星環境や給与への従業員の抗議もあり、中国鄭州の組立工場が数週間閉鎖。
現在は生産を再開しているものの、
期間中はiPhone 14, 14 Proの生産台数が減少.
次に、全体的なPC・スマホ市場の成長率鈍化。
市場分析を行うIDCによれば、
2022年4Qのスマホ市場は 18%減少、
PC市場に至っては28%減少した。
コロナ後のリモートワーク導入や、
ネットワーク整備で売れた反動で、
景気後退に備えて消費者が支出を抑えている、
という見方だ。
とはいえ、他社のPCやスマホと比較した際の、
Apple社が持つブランド力は大きく、
他社比ほど売上は落ち込んでいない、
という見方もある。
Intel や IBM等のIT企業が減収減益を報告しただけに、Apple社の売上・利益は注目される。
2023年第1四半期以降の展望
Apple社は2020年以降、来期以降の展望を
会見等で表明することはしていない。
市場の見立てとしては、
売上減は一時的な生産停止による部分が大きく、
まずはiPhone 14, iPhone 14 Proの需要が昨年度に
引き続き高まるかどうかが焦点となりそうだ。
もしiPhoneの販売低迷が現実となった場合、
サービス・ビジネスの売上が重要となる。
App Storeの利用手数料、Apple Music, Apple TVのサブスクリプション料、などが含まれるが、2021年から2022年では14%成長した。
Apple社の今後を見通す上でも、
ユーザーあたりの単価を上げるために、
iPhoneなどのハードウェアの販売だけで終わらずに周辺サービスの充実、ユーザーの誘導が鍵となってくるため、大事な指標となる。
また、もう一つ投資家の注目ポイントは
人員整理の有無だ。Alphabet, Meta, Microsoft, Amazonたる GAFAMの中で唯一、
人員整理の方針を公表していない。
人員整理を公表した各社は、利益率の向上を見越してか、株価が一時的に上昇しており、その方針が注目される。
最後に、為替動向も追う必要がある。
Appleの売上高の地域別構成を見ると、
海外での売上高比率は6割弱である。
ドル高のピークは過ぎたが、
引き続きドル安の方向に振れれば、
売上高の上振れが見込める。