– システムはオンプレミスからクラウドへ –
自社運用で、サーバなどを必要分だけ自社に整備するオンプレミスから、
容量拡大や管理が容易で、コストも抑えられるクラウド型システムへの移行が進んでいます。
クラウド・システムインテグレーション市場については、
2025年までの年平均成長率は15%超 と言われており、
継続的に高い成長が期待されます。
大手SIer企業も当然手掛けている分野ではありますが、
開発システムの全てがクラウド型、かつ大規模案件も手がける FIXER社を紹介します。
事業内容
クラウドに特化した情報システムの設計から構築、運用、保守までの全行程を提供しています。
① プロジェクト型サービス:プロジェクト型で新規開発、クラウド移行を実施するサービス。
官公庁、金融機関などでの導入実績あり。
新型コロナ感染者把握のため、厚生労働省が導入したシステム HER-SYSも、
同社が手がけたものです。
② リセール:Microsoft Azure などのパブリッククラウドや、Microsoft 365 等のライセンスを販売。仕入れたライセンスに教育サービスやマネージドサービスなどの付加価値を合わせて提供し、他社と差別化。
③ マネージドサービス:他社が提供している一般的なクラウド運用サービスに加え、Microsoft、AWS等が提供する最新の監視ソフトウェアによる細やかな監視を実施。
④ SaaS:マネージドサービス向けのツール/ソフトウェア等を汎用化し、
クラウドの特性を活かしたサービスとして再構築。
現在は、自動架電/SMS送信およびメタバースをSaaSとして提供。
Microsoft 本社からクラウドネイティブなアプリ開発分野にて受賞するなど、
開発力に高い評価を得ています。
財務内容・KPI
(百万円) | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
売上高 | 2,960 | 3,606 | 11,360 |
経常利益 | 328 | 314 | 2,391 |
自己資本比率 (%) | 59.0 | 65.2 | 44.7 |
事業ごとの売上高
2022年度は HER-SYS 導入に伴い、電話やSMSを発信する自動架電サービスの利用が増加。
それに伴い、SaaS事業の売上が急拡大していますが、
あくまでも特需であり、2023年度以降は解消する見込みです。
(百万円) | 2021年度 | 2022年度 | (目標値)2023年度 |
プロジェクト型セールス | 323 | 721 | 3,165 |
リセール | 1,380 | 2,811 | 4,761 |
マネージドサービス | 1,443 | 1,799 | 1,912 |
SaaS | 454 | 6,028 | 2,290 |
契約社数
各期に売上のあった法人数は、右肩上りで、
2023年8月期の目標は前期比2倍の 200社を掲げています。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | (目標値)2023年度 | |
契約社数 | 67 | 78 | 94 | 200 |
従業員数
売上の好調さを表すように、従業員数も増加傾向にあります。
2020 1Q | 2021 1Q | 2022 1Q | 2023 1Q | |
従業員数 | 121 | 118 | 149 | 196 |
成長性
前述の通り、同社は 厚生労働省のシステム HER-SYSでの開発、
自動電話サービスを手がけた実績があるため、
他業界への展開や、他省庁の入札案件への参画などで顧客拡大が見込まれます。
また、クラウド移行のプロジェクトが増加するにつれ、
リセール・マネージドサービス・SaaSの工程も付属し、
追加での収益を見込むことができるため、
プロジェクト数の増加が順調かどうか、鍵となりそうです。