テスラ社、2022年第4四半期の決算を公表。時価総額1位、他社との事業構造の違いは?

テスラ社、2022年第4四半期の決算を公表。時価総額1位、他社との事業構造の違いは?投資

元記事:https://www.cnbc.com/2023/01/25/tesla-tsla-earnings-q4-2022.html

テスラ社のEV値下げに関する記事はこちら:

記事の要約

決算内容

売上高は24,318百万ドル、営業利益3,901百万ドルと、
昨年度同時期と比較して37%、41%の伸び

自動車販売に注目すると、21,307百万ドルで、昨年度比で33%の伸び
テスラの昨年1年間の世界の販売台数は前年比4割増の131万台となり、
当社が目標とする年間50%増加には届かなかった。

エネルギー部門からの収益は1,310百万ドルと、昨年同時期比で2倍弱に成長。

テスラ 2022 4Q決算より筆者作成
CNBC記事より参照

決算発表会見での発言

イーロン・マスクCEOは、直近の大幅値引きによってテスラ車への需要が喚起されたとの認識を表明。
「価格改定が平均的な消費者にもたらす影響は非常に大きい」とし、
2023年1月は生産台数の約2倍の需要があったと述べた。

2023年通期の販売台数は外部環境の混乱がなければ、200万台に達する可能性があるとした
2021年に掲げた年間50%の生産台数増加率を達成できるよう、生産を増やしていくとも述べた。

また、「FSD Beta」と呼ばれる、完全自動運転機能「FSD」のベータ版につき、
北米の顧客40万人が持つ乗用車にて導入可能となったと述べました。
「完全自動運転」という名前を冠しているが、完全な自動運転が実現したわけではなく、
ドライバーによる常時監視が必要な「レベル2」の高度運転支援システムに近いものとなっている。
北米のユーザーは1万5000ドル(約200万円)の買い切り、または月額最大199ドル(約3万円)のサブスクリプションで同機能を利用できるとのこと。

期待の高まっているピックアップトラック「Cybertruck」については、
今年テキサスで生産を開始予定、量産は来年以降となると述べた。

テスラ社、 2022 Q4 Tesla Quarterly Updateより参照

競合他社(GM・トヨタ)の収益構造

上述の通り、テスラ社は売上の大半を電気自動車販売、残りを再エネ発電・貯蔵から得ている。

では、競合他社として名前の上がるトヨタ、General Motors (GM)、Volkswagen (VW)の収益規模・構造についても分析し、企業間での特徴・強みを探りたい。

大手自動車会社ともなれば、基本的には自動車販売以外にも金融事業を手がけている。
その理由は、自動車販売と金融事業の相性が良いためである。

自動車を現金で一括購入する人は決して多くはない。
個人ならローンを組んで買ったり、法人が購入者ならリース契約をする例も少なくない。自動車ローン・リースの他に自動車保険の提案もできるなど、親和性が高い。

GM、トヨタは2022年通期の業績が公表されていないので、
直近四半期である2022年7-9月期分を確認したところ、以下の通りであった。

各社決算より筆者作成

なんと、売上高に占める自動車・金融事業の比率はトヨタ・GMともに同じ、92% : 8%で、
VWのみ金融の占める割合が 84% : 16%であった。
営業利益率で見ると、自動車事業については三社で大きな違いはないものの、
金融事業についてはGMの27%、トヨタ・VWは10%弱と差が生じている。

感想・まとめ

テスラ株は投資家の間でも評価が分かれる株だと感じる。

今後の景気後退や他企業の本格参入の際に販売台数を維持できるのか不透明、
マスクCEOのツイッター社買収などで本業に集中できていないなどで、過大評価されすぎという意見。
一方、中国を除く地域(中国ではBYD社が優勢)にてトップシェアを獲得している現状に加え、
気候変動対策を見据えてさらに電気自動車の販売台数が増加すると見込まれる中で、
この水準で売上を伸ばし続けられるのではないかという期待も膨らんでいる。

個人的な意見としては、テスラ株は買いだと考えている。

  • 先行者利益を確保し、広告宣伝費をかけずともクルマが売れてしまう驚異的なマーケティング法を持つこと
  • 大きなソフトウェアとしてのクルマであり、今後自動運転機能や車内エンタメに更新があった際にはアップデートができてしまうという先進性
  • 今後は自動車販売から得られる収益だけでなく、
    販売したクルマへのサブスクリプションビジネス(自動運転モデルの更新や、データに基づく運転の支援など)からも収益が得られる時代となると考えており、テスラ社は非常に親和性が高い分野であるため

決算直後で値上がりしているため、生産台数に関する不安やTwitter社についての報道等で一時的に株価が落ちたタイミングで買いたいなとは思っている。


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