株価下落に備えて持っておくべき米国債ETF。ポートフォリオ分散、利回りを狙える、債券ETFを解説!

TLT IEF SPY投資

一番シンプルな投資といえば、
S&P500などの株価指数に連動したETFを、
毎月など時間を分散させて積立投資をすることでしょう。

運用コストをかけず、またどの銘柄をどのタイミングで買おうかと悩むことなく、
効率よく資産運用できることは間違い無いです。

ただし、資産ポートフォリオが現金・株式・株式に連動した投資信託
のみの場合、見直しを検討する必要があります


投資の世界では、「卵を1つのカゴに盛るな」という有名な格言があります。
卵をすべて同じカゴに入れてしまうと、そのカゴを落としてしまったときに、
すべての卵が割れてしまいます。

資産運用においても、株式などの同一商品に集中して投資するのではなく、
債券など分散して投資すること
が大切です。

では、何故債券をお勧めしているのでしょうか。
簡単にいえば、株価と債券は逆の動きを取るため、
債券を保有しておけば、株価が下落時にも利益を取ることができるからです。

詳細は以下の記事でも説明しておりますが、

景気拡大時:債券を売って、リスク資産である株式を購入
景気後退時:リスク資産である株式を売って、債券を購入

その時々に応じてうまく資産ポートフォリオのバランスを配分することで、
どんな景気局面でも利益を取りに行ける、ということですね。

ただ、自身で債券を購入して、売買するのは非常に手間がかかりますので、
インデックス投資同様、債券に連動したETFを購入するのがお勧めです。

この記事では、ポートフォリオ分散化に資する、
債券ETF保有のメリット・デメリットについて一緒に考えていきたいと思います。

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債券の特徴

簡単に、債券の特徴を整理していきます。

元本保証

債券は原則「元本が保証されており、債券の発行体が倒産しない限り、
元本に利息が付いて返ってくる」という安全な投資商品です。
中でも米国の国債は、世界で最も安全な金融商品と考えられ
「リスクフリー」な商品であると言われています。

ローリスク・ローリターン

リスクが低いということは、期待されるリターンも低いということです。

以下は、「約200年前の1801年に当時の1ドルを株式、債券、金、現金にそれぞれ投資をしたら、
200年後にいくらになっているか」、というグラフですが、
株式のリターンが最も大きく、長期国債のリターンはまずまず。

株式のリターンと比較すると、国債のリターンは小さいことがわかります。

出所:『株式投資第4版』(ジェレミー・シーゲル/日経BP出版)
※実質トータルリターン

債券ETF保有のメリット

株の下げ相場に強い

債券の特徴でも説明した点ですね。

紫線がS&P500 に連動した指標、青線が債券ETFのパフォーマンスを示しますが、
2019-2020の間、2022年-2023年にかけては、真逆の動きをしているのがわかるかと思います。

安定した利回り・キャピタルゲインが狙える

債券ETFは利回り1%前後と利回り自体は高くはないですが、
それでも預貯金よりはインカムゲインが見込めることに加えて、
株価暴落時にはキャピタルゲインも狙うことができます。

これは、株価暴落時は株式などのリスク資産が売られ、
安全資産である「国債」が買われる傾向があるからです。

その際には債券価格が上昇し、キャピタルゲインも得ることが可能です。

今後金利下落が見込まれる経済環境にある

米国債は、現在10年利回りが 3.8%となっております。
FOMCでの政策金利引き上げにより、段階的に上がってきた金利ですが、
2023年後半、2024年前半にかけて政策金利の引き下げも予想されています。

金利引き上げ長期化により、景気が冷え込みリセッションが到来すると言われている中、
金利の引き下げは数年間で行われるとみて問題ないでしょう。

その際、金利の引き下げ→債券の価格は上がる ため、
先ほど述べたようにキャピタルゲインも狙うことができます。

米10年国債利回り

債券ETF保有の注意点

金利上昇局面では価格は下げる

景気の過熱感が続き、今以上の金利引き上げが続けば、

・金利上昇 → 債券価格の下落により、評価額は減少
・金利上昇 → リスク資産である株式が売られ、債券が買われる

2つの異なる動きのせめぎ合い次第ではありますので、
その時の景気感・どちらの動きが優勢か次第になりますが、
一般的には債券価格の下落につながるとされています。

(過去、深く考えずに債券投資を行なったために痛い目に遭いました、、
その時の反省をまとめています)

金利下落時の為替にも注意

金利下落 → 相対的なドル資産の魅力度減 
→ドル資産が売られる →ドル安方向に進む 可能性があります。

配当金はドルで受け取るため、相対的に魅力が減少するリスクもあります。

マクロ環境の変化に注意(日銀の金融政策変更など)

米国債の魅力が低下した際には、需要と供給の関係で、債券価格は下落してしまいます。

例えば、目下話題となっているのは、日銀総裁の交代ですね。
金融緩和を推進してきた黒田総裁から、植田さんへ変更となり、
低金利政策の見直しも中期的には期待されています。
日本国債への期待が高まれば、
現在保有している米国債を売り日本国債が買われるため、米国債券価格は下落します。

そのため、マクロ経済環境の変化にも注意しておく必要があるでしょう。

債券ETFの種類とは?

今回紹介する債券ETFとは、Blackrock社が提供する

・米国国債1-3年ETF「SHY」
・米国国債7-10年ETF「IEF」
・米国国債20年超ETF「TLT」と、

Vanguard社が提供する

・米国国債1-3年ETF「VGSH」
・米国国債3-10年ETF「VGIT」
・米国国債10-30年ETF「VGLT」

です。経費率、純資産額などを比較した表を以下に示します。

銘柄名対象年限経費率分配金利回り純資産(億ドル)
BlackrockSHY1-3年0.15%1.46%276
VanguardVGSH1-3年0.04%1.34%190
BlackrockIEF7-10年0.15%2.05%247
VanguardVGIT3-10年0.04%1.83%139
BlackrockTLT20年超0.15%2.65%312
VanguardVGLT10-30年0.04%2.79%44
(2023年2月執筆時点)

債券ごとの特徴については、以下のブログが非常にわかりやすくまとめていましたので、
こちらをご確認いただけますと幸いです。
(初心者向けではないとの記載がありまして、少し投資に慎重になりますね、、)

https://www.invest20rich.com/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E5%82%B5etf%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%EF%BC%88%E6%A4%9C%E8%A8%8E%E6%AF%94%E8%BC%83%EF%BC%89%E3%80%90%E5%BE%8C%E7%B7%A8%E3%80%91/#toc12

まとめ

ポートフォリオ分散の観点から、債券を取り入れるメリット・デメリット等を紹介してきました。

景気後退局面では、リスク資産が売られ、債券のような比較的リスクの低い資産が買われる動きとなるため、今後リセッションを警戒されている方には良い選択肢かと思います。

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