マネーサプライとは、ある国や地域において、
その時点で市場に流通している通貨や預金の総量を指します。
日本では、毎月日銀が調査をして発表していますが、米国では、中央銀行である連邦準備制度(Federal Reserve)によって監視され、
定期的に報告されています。
マネーサプライには、M1、M2、M3の3つの種類があります。
M1:流通中の現金や、小切手、預金口座など、非常に流動性が高い資産を含む
M2:M1に加えて、普通預金や定期預金など、
より流動性の低い資産も含む
M3:M2に加えて、銀行以外の金融機関が預かっている預貯金なども含む。
マネーサプライは、経済活動に直接影響を与える重要な要因であり、中央銀行はマネーサプライを適切に調整しています。
マネーサプライから景気をどう読み取れる?
インフレの指標としては、マネーサプライの絶対値よりも対前年同月比の伸び率が注目されます。
マネーサプライが上昇:
世の中に出回っているお金の量が増えたことを意味します。
その資金がモノやサービスに向かうことで、モノの値段は上昇し、インフレ・景気拡大に繋がります。
マネーサプライの減少:
上記の逆で、資金が減るため、
モノの需要が減退し、景気後退に繋がります。
マネーサプライ M2 の伸び率はどこで確認できる?
米国のM2 年間変化率は、FRED (Federal Reserve Economic Data)、
FRBが公表しているデータベースから取得することができます。
直近のM2伸び率は?
以下のグラフが、1960年 – 2022年での M2伸び率(前年同月比)を示しています。
直近の5年間で、2年間ほどで変化率が20%ほど上昇し、2年間で変化率が30%ほど下がり、前年同期比変化率でなんとマイナスとなりました。
これほどマネーサプライが急収縮することは異例で、その反動で起こりうる景気後退のインパクトがどの規模か、投資家やエコノミストが警戒している状況です。
まとめ
簡単にではありますが、
マネーサプライが景気に与える影響、ここ数十年ほどで一番大きく変動しているマネーサプライM2についてまとめました。
景況感の変化を裏付ける指標の一つとして、
今後注目するようにしていきましょう。