そもそもFOMCとは?タカ派、ハト派の意味、FOMCのメンバーについても説明。

投資の基礎知識

1/31 – 2/1 の日程で、
2023年第一回のFOMC会合が開催される。

この記事では、FOMCとはそもそも何か、
FOMCを構成するメンバーについて説明する。

FOMCとは?

FOMCとは連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の略称で、米国の政策金利などの重要な金融政策を決定する会合のこと

米国の金融政策はマーケットに与える影響が大きく、市場関係者の予想との乖離があった際には、
株式市場や為替市場が大きく変動することもあるため、多くの投資家から注目されている。

FOMCの委員会が独立して存在しているわけではなく、FRBの委員によって運営されている。

FRB(米連邦準備制度理事会、Federal Reserve Board)はアメリカの中央銀行にあたる機関
金融政策の実施を通して、米国の雇用の最大化、物価の安定化、適切な長期金利水準の維持を実現し、その結果として米国経済を活性化することを目標としている。
日本銀行に近い役割を果たすが、政策の実行を行わないことが異なる。

FRBは、その下に12の地区連邦準備銀行(地区連銀)を抱え、業務に関する広範な監督権限を付与されており、FRBが決定した政策を基に各連邦銀行が業務を行う

FOMCでの政策決定の際には、FRBの理事7人と、12地区の連邦準備銀行総裁のうち5人が投票権を持つ

連邦準備銀行総裁の5人の内訳としては、
ニューヨーク連銀総裁を常任として、
残り4人を他の地区連銀総裁から輪番制で選出されることになっている。

タカ派、ハト派とは?

FOMCに参加する理事・連銀総裁は、政策金利引き上げに対する姿勢から、「タカ派」、「ハト派」、「中立派」に分かれる。

タカ派は、鷹が力強く積極的なイメージがあることから連想されるように、
経済の分野では経済状況に対して強気な見方であり、利上げ賛成派
物価の安定を重視し、金融引き締め的な政策を支持する。

一方、ハト派は経済状況に対して慎重な見方であり、利上げ反対派になる。
景気への配慮を重視し、金融緩和に前向きなスタンスとなる。

FOMCの実施に際しては、
今後の動向を予想するうえでは各派の姿勢も重要となることもあるため、
よくメディア等で登場する言葉となっている。

2023年のFOMCメンバー。タカ派、ハト派?

FOMCでは投票権を持つ地区連銀総裁4人が毎年入れ替わる

市場では引き続き、
米利上げペースや利上げの終了時期、また将来的な利下げ開始時期への関心が高い。
利下げ開始時期の手掛かりとして、
2023年のFOMCで投票権を持つメンバーの発言は、大いに注目される。

2023年のメンバーは以下の通りである。
こちらは三井住友DSアセットマネジメント株式会社の、市川チーフマーケットストラテジストが作成した表であるが、
最近の発言を踏まえたハト派・中立・タカ派のスタンスも書かれている。

2023年FOMCメンバーの金融政策スタンス、市川チーフマーケットストラテジストの資料より

2023年に入り、インフレ退治を優先し金利の大幅上昇を支持していたタカ派3名を含む、
以下の4人が投票権を失った。

・セントルイス連銀のブラード総裁(タカ派)
・クリーブランド連銀のメスター総裁(タカ派)
・カンザスシティー連銀のジョージ総裁(タカ派)
・ボストン連銀のコリンズ総裁(中立)

代わって投票権を得たのは、

・シカゴ連銀のグールズビー新総裁(ハト派)
・フィラデルフィア連銀のハーカー総裁(中立)
・ダラス連銀のローガン総裁(タカ派)
・ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁(タカ派)

パイパー・サンドラー・カンパニーズ(米国の独立系投資銀行および金融サービス会社)に所属するアナリストは「2023年に新たに投票権を得るメンバーは、
全般的な政策の志向が前年のメンバーに比べてハト派寄り」と指摘。

一方、「FOMCの団結は強い。これは投票権を持つのが誰であろうと、来年の低い水準での利上げ打ち止めや利下げにはハードルが高いことを示唆する」とも語った。

FOMCメンバーの発言には注意を払うべし

就任からまだ日が浅いメンバーの政策スタンスについては、最近の発言を踏まえたものであり、
判断材料は今後増えてくると思われる。

特にタカ派とされるメンバーの発言については、
タカ派度合いの変化を見極めることが重要だ。

今後それぞれの発言を通してスタンスの違いは見えてくると思われ、株価にも大きな影響を与える存在であることから、発言機会や会見等には注意を向けるようにしたい。

参考リンク(タカ派、ハト派のスタンス等は、以下の記事から参照しました)

https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2023/01/irepo230112

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