中国の経済再開、インフレを引き起こす可能性

中国の経済再開、インフレを引き起こす可能性経済ニュース

元記事:https://www.cnbc.com/2023/01/20/chinas-reopening-good-news-for-growth-but-could-be-inflationary-economists-warn-at-davos.html

記事の要約

ダボス会議*にて、中国の経済再開が世界景気に与える影響について議論されている。
世界で2番目の経済規模を持つ中国の投資と家計の支出加速が世界貿易を下支えする、
との前向きな期待もある一方で、さらなるインフレに繋がるのではないかという懸念もある。

国際エネルギー機関 (IEA) は天然ガス・石油などの化石資源、鉄や銅などの金属資源の需要の高まりにより、企業はコモディティ価格の上昇に備えるべき、との見解を表明。

中国の経済活動再開が結果的に石油・ガス・金属の価格上昇を起こし、
世界的な物価上昇に繋がるのだとすれば、5.0%~5.25%を頂点として利下げが見込まれていた米国の政策金利についても、高金利の維持が長引くかもしれない。

中国は直近GDP成長率を公表し、2022年度は3%であった。
これは1976年の計測以来、二番目に低い数値で、長期的成長に向けて不安視する声もある一方、
1/17(火)に公表された2022年12月の小売売上高、鉱工業生産の数値が予想を上回り
10-12月期四半期国内総生産も予想を上回った頃から、経済回復への期待も出てきている。
欧米の景気後退が現実味を帯びてきている中で、
中国の成長には世界マーケットの大きな注目がかかっていると言える。

*ダボス会議:世界の政治や経済のリーダー、それに有識者がスイス・アルプスの高地に一堂に集まり、その時々の世界の諸課題について議論する会議。

前回の経済再開時、株価はどう動いたか

中国ではゼロコロナ政策をもとに、感染拡大の兆候があった際には迅速に都市封鎖(ロックダウン)を行うなどして対処してきた。1日の新規感染者が数万人に及んでいた2022年3月末ー5月末には上海でロックダウンを行っていた。そのロックダウンを6月1日から解除すると発表したのち、石油関連株を含む様々なセクターにて株価の動きがあった。

中国での原油需要拡大への思惑が強まり、石油関連銘柄の株価が上昇していたほか、
資源関連で商社の株価も買われていた。
https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202205310240
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB173FY0X10C22A5000000/

感想

ゼロコロナ政策の撤廃に伴い、中国の経済活動再開や景気回復の期待が高まっているが、
2023年春以降も感染が完全な収束に向かうわけではない。
中国経済がV字回復するとみるのは現実的とは言えず、
個人消費および生産・物流機能の回復には不安も残るとの見方もある。

日経新聞の記事で挙げられていた理由としては、
1) 欧米の景気悪化に伴う輸出の減少、
2) 家計での強まる貯蓄思考、
3)コロナ感染の再拡大、
の3点である。

いかに世界経済が密接に繋がって構成されていて、
欧米・中国という二大経済圏の一方での経済停滞が、もう片方の停滞を招くか、よく理解できる。
また、現在の状況について、

楽観派:中国の経済活動再開を好材料として、欧米の景気は回復する
悲観派:輸出先である欧米の需要が減ることで中国の景気も合わせて悪化する

と経済の先行きに対する見方は異なる。
こうした専門家の意見を目にした際には、
・根拠の確認、別の見方はないかと多角的に捉えた上で、
・自分自身のポジションを取る
(この例で言えば中国経済の再開に伴い物流網の乱れが改善される
→自動車業界を始め製造業にはポジティブで、景気は徐々に回復する!
→中国を含めた新興国ETFあるいは投資信託を買っておこう、など)
ことが重要なのだろう。

どうしてもエコノミストや他の個人投資家の意見をそのまま受け入れてしまいがちであり、
自分自身も中々できていないことではあるんですけどね、、

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