【個別株】サイバートラスト(4498) – 認証・セキュリティサービス、Linux・OSS ディストリビューションを手掛ける同社の業績、成長性は?

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サイバートラスト社は、
認証やセキュリティサービスの提供に加え、
LinuxやOSSディストリビューションの開発・販売を手がけるIT企業
です。

近年、電子契約書の普及や、アプリ・サービス利用時の本人認証機会の増加に伴い、

同社のサービスはますます需要が高まっており、成長性に注目が集まっています。

本記事では、そんなサイバートラスト社の
事業内容、業績、特徴・強みについて、
詳しく解説します。

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事業内容

認証セキュリティ、Linux / Open Source Software (OSS)の技術を組み合わせ、
DXの課題解決に向けた独自のサービスを提供しています。

具体的には、
以下のセグメントで事業を行っています。

・認証・セキュリティサービス

・OSSサービス

・IoTサービス

各セグメントごとの売上構成は以下の通りです。

認証・セキュリティが60%弱を占め、
Linux / OSS、IoTがそれぞれ20%ほどとなっています。

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認証・セキュリティ サービス

デジタル社会における「身分証」に該当する、

電子証明書、電子的本人確認、電子署名など、

各種証明書提供を中心とした
情報セキュリティサービスを提供しています。

ただ、提供される電子証明書が本当に信頼できるためには、保証が必要不可欠となりますよね。

同社は、申請者の本人確認・証明書の発行・発行済証明書の管理を行う機関である、

「電子認証局」を国内で初めて立ち上げ、
20年以上運営しています。

同社の電子認証局は、国際的な監査規格に合格した実績を持っています。

中でも、以下のサービスを提供しています。

・Sure Server:
 サーバー・ウェブサイトの
 実在を証明するサービス

・デバイスID:ネットワークにアクセスしていい端末かどうかを認証するサービス

・iTrust:
 書面手続をオンライン化する上で、
 必要な電子認証の仕組みを提供する、
 本人確認・電子署名サービス

特に、iTrust サービスは、顧客企業が展開するサービスの裏側で使われることが多く、

弁護士ドットコムの「クラウドサイン」、
三菱UFJ銀行で採用された日立製作所の「eKYC支援サービス」


に導入されているなど、確かな実績があります。

OSS サービス

国内唯一のLinux/OSSディストリビューターとして、ソリューションを提供しています。

OSSとは、Open Source Software の略称で、

・ソースコードが公開
・無償で誰でも自由に改変
・再配布が可能

などの特徴を持つソフトウェアのことです。

OSSは誰でも無償で利用できる反面、
Windows や iOS とは異なり、

動作保証やサポートがありません

そのため、OSSを用いたシステム構築、および運用を自力で行うのは難しいとされています。

同社は国内で唯一の Linux/OSS のディストリビューターとして、

導入・サポートをセットにしたパッケージで、
包括的にソリューションを提供しています

航空管制システム、通信インフラなどの
重要システムで多数の採用実績があります。

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IoT サービス

IoT 機器を使うためのソリューションを提供しています。

自社製品として、
IoT 機器向けの Linux OS「EMLinux」、
セキュリティ対策のための「セキュア IoT プラットフォーム」
や、

IoT 機器の長期使用を支援する「EM+PLS(イーエムプラス)」を提供しています。

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特徴・強み

サイバートラスト社は、他社での代替性が低い、
非常に特徴のある企業
であると言えます。

まずは、認証・セキュリティサービスにおける、
国内初の商用電子認証局を立ち上げた実績と、
国際的な監査規格に合格している電子認証局の信頼性の高さ
を有する点です。

そして、電子認証・セキュリティ技術に加え、
Linux/OSS に関する技術や経験を1社で保有している点
です。

特にLinux / OSS のディストリビューターとしては国内で唯一であり、
独自性の高いビジネスを築いています。

最後に、ストック型収益の割合が高い点です。

同社の売上を提供形態別に区分すると、
ライセンス、プロフェッショナルサービス、リカーリングサービスの 3 つの区分に分類できます。

ライセンス、プロフェッショナルサービスは、
都度発生する収益である「フロー型収益」に該当する一方、

リカーリングサービスは、
継続的な商品サービスの提供に対して
定期的に収益を計上する「ストック型収益」
で、収益の安定性に貢献しています。

リカーリングサービスの売上構成比は全体の6割となっています。

フロー型収益

ライセンス:
 自社製品の提供時に発生

プロフェッショナルサービス:
 製品のカスタマイズや導入支援、セキュリティコンサルティング等提供時に発生

ストック型収益

リカーリング:
 電子証明書サービスや自社製品のサポート等の提供に対して支払われる

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業績推移(2022年3月期、2021年3月期)

売上高、営業利益は以下の通りです。

(百万円)2021年3月期2022年3月期
売上高5,7316,167
 認証・セキュリティサービス 3,359 3,543
 Linux / OSS サービス 1,472 1,447
 IoTサービス 899 1,176
営業利益8681,053
純利益530725
EPS(円)66.790.4
自己資本比率(%)67.571.5

売上高の前年比成長率は +7% に留まりましたが
営業利益の成長率は +21% と二桁での成長率でした。

営業利益率は2021年3月期には 15% でしたが、
2022年3月期には 17% に改善しています。

EPSも大幅に上昇するなど、
毎年着実に利益を上げている優良企業です。

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まとめ

2023年4月26日、
サイバートラストと ELEMENTS 社は、
マイナンバーカードを利用した公的個人認証サービスを、同年5月11日に始まる「マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載」に対応させたと発表しました。

今までは、本人認証のために都度マイナンバーカードを読み取る必要がありましたが、

サイバートラスト社の本人認証技術により、
スマホに搭載されている電子証明書を使って本人認証を行えるようになる、とのことです。

マイナンバーカードは執筆時点でも8,000万枚ほど発行されていますが、
政府としては国民全員が保有することを目的に、様々なキャンペーンを推進しています。

1億人超が、スマホを使って本人認証を行う、
つまりサイバートラスト社のサービスを使うことが想定されます
ので、
当社にとっては追い風が吹いている状況です。

また、ペーパーレスの流れで、電子契約書の利用も拡大しつつあり、
電子契約等の真正性を証明する、電子署名の利用範囲が拡大
しています。

マクロ環境的にも、大きな伸び代があると思われる同銘柄、
安いタイミングで買って長期ホールドしていきたいと思っています。

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