皆さんは、仕事の都合上で取得しなければならない資格があるけれど、勉強する気にならない、ほぼ一夜漬けで挑んで失敗してしまった、
と悩んだ経験はありませんか?
特に気が乗らない資格試験の場合は、一層気が進まず、進捗も遅いからやる気が出ない、
というループに陥りがちですよね。
私は今まで、
・簿記2級
・ファイナンシャルプランナー2級
・基本情報技術者試験
・G検定
・Pythonエンジニア認定試験
・統計検定3級
といった試験に、一回で合格してきまして、
その過程で自分なりのノウハウを確立できたと考えております。
この記事では、資格取得を控えた皆様に、
どのように資格勉強を進めれば一発合格に近づけるのか、コツを紹介できればと思います。
(個別試験での勉強方法は以下のリンクからご参照ください)
下記で紹介するのは、難易度のそこまで高くない、一般的な資格試験への対処法となります。
(公認会計士や弁護士試験など、難関資格と呼ばれる資格については、1日数時間レベルの勉強が必要となりますので、
本記事では対象外としています。。)
勉強を始める前に
試験の出題範囲・配点・所要時間を把握する
資格勉強を始める上で一番重要なのは、試験の出題範囲・配点を把握し、戦略を立てることです。
試験で何が問われるのか、分野ごとの配点などを理解しましょう。
試験のホームページ等を参照し、おおよそ分野ごとに必要となる点数や理解度をイメージします。
例えば簿記2級であれば、
商業簿記: 60点(大問3つ)、工業簿記: 40点(大問2つ)の配点となり、
(商業簿記)
第一問:個別仕分、5題(20点)
第二問:個別論点、1題(20点)
第三問:決算、1題(20点)
(工業簿記)
第四問:個別仕訳等、2題(28点)
第五問:標準・直接原価計算、1題(12点)
*合格点は70点以上
の内訳となっています。
試験攻略のためにざっくりとした戦略を立てる
次に、試験攻略のために戦略を立てましょう。
戦略を立てる上では、ズバリどの分野で点数を取るか、どのような時間軸で勉強を進めていくか、
の2点が重要です。
戦略というと身構えてしまいますが、
私自身も厳密な戦略を立てることが得意ではなく、あくまで暫定的で構わないと思います。
点数目標を定めるには?
まずは点数目標を定めるために、以下を行いましょう。
・過去問一回分を参照し、問題の形式を把握
・参考書の冒頭や、Studying などの
資格スクールが展開するサイトを参考に、
分野ごとの難易度を把握
特に、難易度の把握が非常に大切です。
何故なら、資格合格という目標達成においては、
全範囲を完璧に網羅する必要はないためです。
難易度の低く、配点も高い分野に勉強時間の重きを置き、難易度が高い分野は一旦後回しにするなど、効率よく勉強するために重要なポイントとなります。
先ほどの簿記2級の例の続きですが、
工業簿記の方が商業簿記と比較して難易度が低く範囲が狭いため、満点を目標に。
商業簿記の中でも、第一問の個別仕訳は出題形式がシンプルにも関わらず配点が高いため、
ここも満点を目標に。
比較的難易度が上がる第二問、第三問は6割程度を目標に立ててました。
結果として以下の通りになりました。
第一問:個別仕分、目標20点 / 20点
第二問:個別論点、目標12点 / 20点
第三問:決算、目標12点 / 20点
(工業簿記)
第四問:個別仕訳等、目標28点 / 28点
第五問:標準・直接原価計算、目標12点 / 12点
計 84点 / 100点(およそ8割)
時間軸を定め、勉強計画を立てる
資格勉強というのは労力も時間も費やす必要があるため、期限を設定して短期集中的に取り組むのが最も効率が良いと思います。
当たり前かつ重要なことですが、まずはターゲットとする試験日を定めましょう。
大体の試験は年に数回開催、またはCBT(Computer Based Test)であれば会場の空き次第で毎日受験が可能なケースもありますが、目安としては数ヶ月後の試験日程を設定するのが安心です。
もし既に試験範囲を一定程度を理解できているのであれば、1ヶ月後などの弾丸日程で挑むこともできるかと思いますが、
一から参考書を読み込む際だけでも1ヶ月ほどかかることを想定して、
数ヶ月後の日程を選ぶことをお勧めしています。
試験日を決定した後は、残り日数を基礎構築期間 と 過去問演習期間に分けましょう。
基礎構築期間では、参考書を読み込み、基礎的な理解を深めましょう。
そして基礎的な知識が固まった段階で過去問演習に移る、というイメージです。
イメージとしては、基礎構築期間と過去問演習期間は 2:1の比率で分けるといいかと思います。
例えば、試験日まで残り3ヶ月であるとすれば、
基礎構築:2ヶ月、過去問演習:1ヶ月 ですね。
試験範囲を網羅した、教科書となる参考書を選定
次に、軸となる参考書を選びましょう。
世の中には、色々な参考書が溢れています。
イラストが豊富で読みやすい参考書から、
厚みがあって辞書のように全範囲が網羅されている参考書など、
幅広い書籍に溢れています。
参考書は何回も読み返すものですので、皆さんにとって使いやすい書籍を選んでいただければと思います。
個人的なおすすめは、イラスト豊富・厚さが薄めの参考書よりは、
ある程度の厚さを持ち、紙面が文字で埋め尽くされているものを選ぶことです。
何故かと言いますと、イラストが多く配置されている書籍では、
内容を本質的に理解するためのコンテキストや補足説明、
実例を紹介するコラムなどが省かれてしまっていることが多いと感じており、
逆に暗記一辺倒になってしまうのではないかと思うからです。
資格勉強のコツ
前置きが長くなってしまいましたが、
ここから資格勉強でのコツをご紹介します。
(最重要): 毎日10分でもいいから参考書・問題集を開く
相当シンプルですが、最も重要なポイントです。
とにかく毎日、参考書・問題集を開く時間を作りましょう。
寝る前の10分間などのわずかな時間でも構いません。
最初は10分続けるのも大変かもしれませんが、
勉強する習慣がついてくれば、一日10分だったものを20分、30分と伸ばすことが可能になります。
ただ、どうしても忙しい毎日の中で参考書を開く時間なんて無い、
と思われる方もいらっしゃると思います。
実際、私もフルタイムで働く中で、仕事終わりは忙しいし疲れてるし、
家に帰ったらごろごろしたいと思う人間です笑。
そうした方は、通勤時間中の電車の中や、ちょっとした隙間時間を活用して、
参考書を読み進めるようにしてみてください。
私の場合は、例えば帰りの電車の中では必ず参考書を開く、夕食の後の30分は勉強するなど、
ルールを定めていました。
ただ、もし平日に勉強できない日があったとしても、それは仕方がないことです。
休日にその分の時間を確保するなど、週全体での勉強時間は必ずキープするようにしましょう。
参考書は通しで2回以上読む
新しいことを学ぶとき、
初めて読んだ文章や内容を全て理解し吸収できる人は相当稀だと思います。
資格勉強も一緒で、参考書を読んでいて「理解できない」と思うところは数多く出てきます。
勿論、google検索等でより具体的に知ろうとすることも大切ですが、
1,2回調べてもどうしても不明点を解消できない場合は、潔く次に進むことが大切です。
何故なら、試験の合格点を突破する、という観点からは、
試験範囲の全内容を完璧に覚える必要はなく、
その分野の問題が出ても、他の範囲でカバーできれば問題ないというのが1点。
また、各項目が断片的に羅列されていることは稀で、他の項目と関連した内容となっていることが多いこともあります。
先に進み、全体感を掴んだ方が理解が進むケースもあるためです。
従って、不明な箇所があっても、
事実として取り敢えず認識し、
一回飛ばして読む、ことをお勧めします。
暗記項目は朝、晩の時間を活用する
暗記項目については、「どうしても覚えられない箇所」や「特に重要な箇所」をまとめて、
寝る前に復習することをおすすめします。
なぜなら、寝ている間に記憶を司る脳の海馬という場所が働き、
寝る前に記憶した項目を整理してくれることが分かってきているからです。
知識定着のためには、繰り返し学習することはとても重要です。人の記憶は「時間が経つほど忘れてしまう」ものです。
脳科学者であるエビングハウスは、この時間と記憶の相関関係における実験を行い、
- 1日後には74%
- 1週間後には77%
- 1か月後には79%
の記憶を忘れてしまうことを示しました。
どうしても暗記しなくてはならない内容は、
1日後、数日後、1週間後と一定の時間を空けて想起し直すことで、確実に知識が定着するでしょう。
過去問演習は5回以上
目安としては、
1回目:参考書を一周したタイミング
2回目:参考書を二周したタイミング
3回目以降:試験数週間前からは、合格点を数回取れるまで過去問に取り組む
1回目の試験では、点数を気にする必要は全くないです。過去問を解いた後に、あまりにも合格点に遠く、挫折してしまう方もいらっしゃるかと思いますが、
一回参考書を読んで合格点に達することができる人はほぼいないと思います。
実際私も、1回目の過去問で合格点を取れるとは全く思っていません。
ただ、「ダメだった」で終わらせるのではなく、
その時点での理解度を分析することが重要です。
自己採点を行う際、例えば以下のような項目を切り口として振り返りができると思います。
分野:どの分野は得点できたか、できなかったか
配点:配点の高い重要問題での得点率はどうか
所要時間:試験時間内に終えられたか。
終えられなかった場合、
どの分野で時間がかかったのか
振り返りが重要となる理由は、
参考書を再度読み込む際に、どの分野を重点的に読むか、優先順位をつけるためです。
配点が高い分野で得点が取れていなかったのであれば、参考書の該当部分にかける時間を増やすべきですし、逆に一回目である程度点が取れた分野は軽く読み流すことで、
重要項目にかける時間を相対的に増やしていきましょう。
限られた時間のなかで効率よく勉強するためには、大切なポイントです。
そして、過去問は5回以上解きましょう、
というよりは、解けるだけ解きましょう笑。
その大きな理由は、出題傾向・頻出項目を把握するためです。
何回分か過去問を解いていると、
必ず問われている分野や、もしくはほぼ同じ問題が繰り返し出題されているケースにも気づくことができると思います。
そうした分野は、出題者側からしても、
受験生には必ず理解してほしいと思って、
重複しての出題であることをわかって出題しているのです。
出題者側の意図にも気づき、
重要ポイントを網羅することで、
確実に点数を積み上げることができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。改めて重要点をまとめますと、
・配点を把握し、配点の高い分野を時間をかけて攻略する
・一日10分は必ず勉強する習慣をつける
・重要項目は繰り返し学習し、寝る前などの時間を使って脳に定着させる
・過去問は解けるだけ解く!
試験勉強は大変ですが、いざ合格すれば大きな達成感が得られます。
その達成感を味わえれば、資格取得は大変と思わず、むしろ楽しいと思えてくると思います。
資格取得に向け頑張る皆様を応援しております!