Apple の2022年第4四半期の決算が公表され、
売上高と利益が市場予想を下回る結果となりました。四半期売上高が前年比減となるのは2019年以来とのことで、驚きを持って報じられました。
この記事では、Appleの決算の内訳を見ていくとともに、同社の展望や、今後伸びが期待されるポイントについて触れていきます。
2022年第4四半期決算の内容
売上高は前年同期比5.5%減の1172億ドル、市場予想平均は約1211億ドルでした。1株利益は1.88ドルで、市場予想平均は1.94ドルでした。
以下、デバイスごとの収益内容を見ていきます。
- iPhone: 658億ドル
- 市場予想 683億ドル
- Mac: 77億ドル
- 市場予想 96億ドル
- iPad: 94億ドル
- 市場予想 77億ドル
- その他商品 (AirPods、Apple Watch等) : 134.8億ドル
- 市場予想 152億ドル
- サービス (Apple Music, Apple TV+等) : 208億ドル
- 市場予想 207億ドル
製品別では、iPhoneが全体の売上高の約6割を占めており、サービス事業による収益が約2割、という構成です。
売上高の減少には複数の要因が挙げられます。
・中国の新型コロナウイルス関連規制の影響で、
iPhoneの最も人気な機種を
十分に出荷できなったこと。
・Macとスマートスピーカー「HomePod」の
新モデルを発表したのはここ数週間のことで、
10-12月期末に間に合わなかったという
新製品投入のタイミング
・ドル高の傾向。
一時期は140-150円台をつけており、
売上の海外売上高は5-6割を占める
同社への影響は大きい。
(ルカ・マエストリCFOが会見で、
為替レートを一定とした場合は同社の
総売上高は増加したと釈明するほど)
2023年第1四半期の展望は?今後の予想について
今回の決算を踏まえて、Appleの今後の業績をどのように予想していけば良いでしょうか。
先週の記者会見にて、翌期の業績予想についてコメントがあり、1-3月の業績は10-12月期とよく似た状況になるとのことでした。
これは売上高が前年同期の973億ドルから5%程度減少する可能性があることを意味します。
事業毎の見通しで言うと、iPadとMacの売上高は減少する可能性が高いとしつつ、iPhoneの売上高は1-3月期に加速し、サービス部門の収入も伸びるとの見方が示されました。
およそ3年ぶりに売上高の減少を報告したAppleですが、決して事業は下向きではなく、一時的な生産停止による販売台数不足が大きいと私は捉えています。
今後Appleの収益を支えるのは、
iPhoneの販売台数増加も勿論のこと、
ユーザー数増加によるサービス部門の成長も大きなポイントになると考えています。
サービス部門の収益は、iPhone等のハードウェア生産とは異なり減価率が低くなるはずで、サブスクリプションの確保により継続的な収益源にもなりうるためです。
実際、今回の決算では、
サービス部門の売上高が前年同期比で6%増加し、第1四半期の売上高として新記録を達成していますし、
また、世界で稼働しているApple製品の台数を示す、インストールベースのアクティブデバイス数が20億台を超えたとのことで、Appleのサービスにはまだまだポテンシャルがあると言えます。
新型機種であるiPhone 14, 14 Pro, 14 Pro Maxの販売状況とともに、サービス部門が新たな収益源として確立できるようであれば、
Appleは来期以降も更に高い成長率が望めると思います。